グリーンマーケティングとグリーンコンシューマリズム
I. グリーンコンシューマーとはなにか
- 環境に配慮した商品を購入し、使い捨てでなく循環型のライフスタイルを選択する消費者
- 1989年イギリス「ザ・グリーンコンシューマー・ガイド」
店舗の環境配慮度を5段階の星マークで評価、掲載している
- 1994年日本「地球にやさしい買い物ガイド」(グリーンコンシューマー・ネットワーク)
店舗評価と紹介
グリーンコンシューマリズムの定義10
- 必要なものだけ買う
- ごみになるものは買わない、容器は再使用できるものを選ぶ
- 使い捨て商品は避け、長く使えるものを選ぶ
- 使う段階で環境負荷が少ないものを選ぶ
- つくるときに環境を汚さず、つくる人の健康をそこなわないものを選ぶ
- 自分や家族の健康や安全をそこなわないものを選ぶ
- 使ったあと、リサイクルできるものを選ぶ
- 再生品を選ぶ
- 生産・流通・使用・廃棄の各段階で資源やエネルギーを浪費しないものを選ぶ
- 環境対策に積極的な店やメーカーを選ぶ
- 企業に対し、環境を汚さない製品の生産や流通をうながす行動を起こす消費者
グリーンマーケティングを実施する企業を評価、公表し、積極的に製品を購入したり投資をする
1989年刊「ザ・グリーンコンシューマー・ガイド」(アメリカ)企業の社会的配慮を評価
- 企業は環境問題に積極的に取り組んでいるか(グリーンマーケティングの実施)
- 環境保全・社会福祉事業などに寄付をしているか
- 地域社会に貢献しているか
- 男女を差別せずに雇用しているか
- 人種差別をせずに雇用し、平等に待遇しているか
- 従業員家族の福祉対策を実施しているか
- 職場の労働環境はよいか
- 企業の活動状況を公開しているか
- 行政に対し、環境対策を実施し法律や条例の制定を提言し、または進んで協力する消費者
1992年地球サミットの合意が国内で果たされているか
- 合意事項
- 憲章としての「リオ宣言」→持続可能な発展 Sustainable Development
- 行動計画としての「アジェンダ21」
- 温暖化防止のための「気候変動枠組条約」
- 種の保全をはかる「生物的多様性保全条約」
- 「森林保全の原則」
- 「砂漠化防止」の必然性確認
- 環境保全のための資金対策および技術移転
- 法制定や施策
合意に基づき
- 日本「環境基本法」施行→各自治体の環境基本条例や環境基本計画
- 日本「アジェンダ21」策定→ローカルアジェンダ21の策定へ
- 「生物的多様性保全条約」発効
- 「国際熱帯木材協定」改定
- 「地球温暖化防止条約」発効 日本も批准
第1回ベルリン会議の目標co2排出を90年代末までに1990年レベルにする
- 「砂漠化防止条約」制定
- 「ISO14000」(環境規格)制定 日本「環境JIS」エコラベル製品充実や環境家計簿運動
- グリーンコンシューマリズムとは何か
- 1・2・3を実践することによって、消費者主導で環境配慮型・循環型社会を実現すること
- 地球サミット合意事項によるグリーンコンシューマリズムの形成
アジェンダ21「持続可能な生産・消費パターンを促進する政策の立案をすべきである」 「変革のためのアジェンダ」(1994ノルウェー主催の持続可能な消費に関するシンポで採択)
- 再生できない資源を利用する生産を、再生できる資源利用にかえる
- 大量生産や使い捨て消費を見直す
- 化石燃料を太陽エネルギー、風力、小規模水力、生物燃料に切り替える
- 食糧や資源の地域自立性を高め、遠隔大量輸送を見直す
- リサイクル、再使用、再加工性などを設計の段階から配慮する
- 製品の原料調達、製造、使用、廃棄に伴う資源、エネルギー、環境負荷、危険性に関する情報をエコラベルで消費者に提供する
- エコラベル製品をグリーン調達や企業評価の条件とし、環境負荷の大きな商品に対しては環境税や課徴金を課す
- 事業体や家庭の消費について、環境マネジメントを行い、持続可能性をはかる
II. グリーンマーケティングの構築
- グリーンマーケティングとは何か
- グリーンマーケティング
地球や地域の自然環境および生態系と企業活動を調和させるため、商品やサービスの企画、原料調達、製造、流通、使用、廃棄、再生に至るLCAにわたって、省資源、省エネルギー、廃棄物削減、リサイクルなどの環境配慮を実施する流通、販売、宣伝に関する組織的行動
- グリーンマーケティングの実施
- サイトの環境配慮→環境管理・監査による環境マネジメント
工場、オフィス、倉庫について環境管理システムをつくり、実施して監査を受け、認証を得る
- アイテムのライフサイクル・アセスメント(LCA)
製品の原料調達、製造、使用、廃棄、再生の段階の環境管理・監査
- グリーンマーケティングを強化するグリーン調達
- アメリカ→環境保護庁(紙製品、再精製潤滑油、コンクリート、再生タイヤ、再生断熱材、冷却材、カーペットやパイプの建築資材、モーターオイル、遊具、肥料)
- 連邦調達庁(紙製品、再生タイヤ、絶縁体、カートリッジ、パソコン、複写機、水性塗料、生分解性製品など3000品目)
- ドイツ→「ブルーエンジェル」製品を調達
- 日本→1995年村山内閣が閣議決定「財やサービスの購入・使用にあたっての環境保全配慮細目」を提示
- 細目
- エコマーク紙製品、再生紙、白色度の低い紙、省エネ型パソコン・コピー機、低公害車、共同購入、物品推奨リスト作成、事務手続きの簡素化、紙の両面使用、情報システム整備、容器包装のリサイクル、電化製品の修繕、自販機の削減など)
III. エコラベルの充実
- エコラベルの果たす役割
グリーンコンシューマーとグリーンマーケティングを結ぶ接点であり、持続可能社会実現の促進役になる
- ISOのエコラベルの種類
- I型エコラベル(認証基準に基づいた第三者認証のエコラベル)
環境管理・監査を実施し、第三者認証を受け取得する
- II型エコラベル(自己主張による環境情報のエコラベル)
企業が製品やサービスについて、リサイクル、コンポスト、詰め替えなどが可能というような12種類の主張ができる。主張内容は証明が必要だが、第三者認証ではない
- III型のエコラベル(第三者認証による環境負荷を定量的に表示するエコラベル)
LCAにわたる環境負荷、エネルギー、資源消費量をグラフ化、ラベル化するエコラベル
- エコラベル
- 世界のエコラベル
ドイツ「ブルーエンジェル」、北欧5ヶ国「ノルディックスワン」、カナダ「環境チョイス」、EU(統一ラベル)「ブルーフラワー」、アメリカ「グリーンシール」アメリカのバーモント州「家庭用有害製品棚シール」カリフォルニア州「プロポジション65」→妊娠中のアルコール飲料の影響、煙草の害など
- 日本のエコラベル
エコマーク→(財)日本環境協会 分別収集のためのプラスチック容器や缶の材質表示、リサイクル製品につくマーク→牛乳パック再利用、ごみ減量推進、環境配慮を実施している店舗や作業場→フロン回収、廃材の分別・再利用、包装配慮、
IV. 日本のコンシューマーについて
- 日本の消費者像
- 家庭生活は大切にするが、社会や環境に対する視点に欠ける傾向がある
- 頭でっかちで手足が細い
知っていても動かない→一人で何をしても何も変わらないという諦観、依存型
- CMに弱い
主体性がなく、企業宣伝にのせられやすい
- モノ豊かで便利な生活がずっと続くという思い込み
- 環境に配慮した生活方法はカッコ悪いと思っている
- 日本の消費者が変わるために
- 自分一人から行動を起こしていく習慣 知っていることは実践する
- エコマークやエコラベルの不備を改善し、製品の種類を広げる
- 環境家計簿の実践によって、日本の消費者のウイークポイントを強化する
記録、定量化、共同作業、客観評価、社会化、継続性などを身につけることができる
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